HSP&発達障害

HSPと発達障害の違い

HSPと発達障害は、前提として以下の違いがあります。

・HSP・・・病気でも障害でも無い、生まれもった特性(気質)である
・発達障害・・・生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害

発達障害は医師の診断が要る一方で、HSPは病気ではないため医師の診断ができません。

その他には、

①HSPは共感力が高い(空気を読み過ぎてしまう)、発達障害の場合は空気が読めない(他者への気持ちが希薄)

②発達障害がある場合、「こだわり」が強く、ひたすら繰り返したり、どんな状況下でも発動するが、HSPはこだわりが強くても発動しないことがある。

また、HSPは男女比が5:5に対して、発達障害は男性が多い(⇒染色体が関連していると言われている)などの違いがあります。

HSPなのか?発達障害なのか?は以下の理由により
医師でも判断が難しい場合があります。

①HSPそのものの概念がまだ一般的に認知度が低い(医師のなかにも知らない人が多い)
②発達障害についての専門の医師もまだ少ない⇒正確な判断が難しい
③HSPと発達障害にはそれぞれ似た症状が多い

HSP・HSCは発達障害とよく似ていて、そう思われることもあり、
特に軽い自閉症と専門家にも間違えられることが多いようです。

HSPは感覚過敏の症状があることから、
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)などの発達障害ではないかと誤解される事があります。

しかし、これらは明確に違います。発達障害は脳機能、つまり脳内の神経ネットワークが異常を起こしていることで物事の処理に時間がかかるのに対し、HSPはそもそも受け取る情報や刺激が多すぎるため、処理が追いつかずに疲れてしまいます。

ADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHD(注意欠陥多動性障害)とは?

ADHDは、不注意、多動性、衝動性の3症状を主な特徴とする生まれつきの精神疾患で、神経発達症群(詳細は下をご覧ください)の一つとされています。海外の学術論文では18歳以下で約5%存在すると報告されています。ADHDは、3つの特徴が通常の発達の水準からすると不相応で普段の生活に直接悪影響を及ぼすほど深刻な場合に一定の基準をもって診断されます。これら3つの特徴は、同時に全て現れるというわけではなく、「不注意」が目立つ場合、「多動性」や「衝動性」が目立つ場合、また全てを併せ持つ場合など、子どもによってさまざまな形で現れます。一方、成長とともに状態が変化することもあり、例えば大人になってその特徴が自然と目立たなくなることがあります。また、成長に伴って、本人が状況に対処する「コツ」のようなものを身につけることで、その特徴が目立たなくなることもあります。しかし、その場合も特徴そのものが、全てなくなるということではありません。

ADHDの原因

ADHDの原因ははっきりと分かっておらず、さまざまな研究により、ADHDは「脳」の機能に問題があることで、注意や行動をコントロールすることが難しくなっていると考えられています。
また、ADHDは生まれつきのものであり、きちんとしたしつけを受けていないこと(親・養育者の影響)や、逆に厳しすぎる養育環境によってADHDになるという訳ではありません。

LD(学習障害)

LD(学習障害)とは?

学習障害は知的発達の遅れや聴覚・視覚機能の問題がないにもかかわらず、「読む」「書く」「計算する」などが極端に苦手である発達障害です。LDの略称で呼ばれることもあります。医学的には限局性学習症/限局性学習障害(SLD)の名称を使用する場合も多いです。
まったく読めない・書けないということではなく、また読みにくさ・書きにくさの程度や現れる症状も人によって異なります。例えば「文字を書き写すことが極端に苦手」など特定の能力だけに症状が現れる人もいれば、「読み書き全般が苦手」など複数の症状がある人もいます。
また知的発達や聴覚・視覚の障害がないゆえに、周囲から「怠けている」と誤解されたり、本人が努力不足と思い込んだりしていることが少なくありません。

大人になって学習障害と診断される人も

学習障害の場合、学校の授業で困るなどをきっかけに子どもの頃に診断されるケースが多いと言われます。しかし学習障害の認知度が低かった時代もあり、診断や疑いはあっても適切なサポートを受けてこなかった人、大人になってから学習障害とわかる人もいます。

LDの原因

学習障害の原因は完全には解明されていませんが、先天性の脳の機能障害ではないかと考えられています。見た情報を理解する視覚認知力や、字を音に変換する能力などの偏りがあるのではないかというものです。
学習障害は、小学校進学など実際に読み書き計算に触れる年齢で発見されやすい障害です。しかし原因と考えられる脳の機能障害は生まれつきであり、育ち方や本人の努力不足ではありません

また知的障がいは別の障がいで、知的発達の遅れが原因でもありません。
なお読み書きなどの困難という点で失語症とも症状が似ていますが、失語症の原因は交通事故や脳卒中などによる後天的な脳損傷です。

ASD(自閉スペクトラム症)

ASD(自閉スペクトラム症)とは?


社会的なコミュニケーションや他の人とのやりとりが上手く出来ない、興味や活動が偏るといった特徴を持っていて、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群といった呼び方をされることもあります。問診や心理検査などを通して診断されます。親の育て方が原因ではなく、感情や認知といった部分に関与する脳の異常だと考えられています。

まず、周囲の方々のASDの特性への理解が必要です。ご本人の様子にもよりますが、幼少期には療育活動への参加、就学後は個別支援を行うことがあります。成人でも、本人のストレスを軽減するための環境調整、ソーシャルスキルトレーニング等による対人関係スキルの獲得を通じて、本人の状態の改善を目指します。また、些細なことでイライラしてしまうような場合や二次性の精神障害に対して薬物療法を行うことがあります。

ASDの原因

ASDの原因として、脳の機能の偏りによるのではないかといわれていますが、まだ解明されていない状況です。少なくとも親の育て方や本人の性格などに起因する障害ではないことは分かっています。

PDD(広汎性発達障害)

PDD(広汎性発達障害)とは?

広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:略称PDD)は、コミュニケーションと社会性に障害があり、限定的・反復的および常同的な行動があることを特徴として分類される発達障害のグループ です。このグループには自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害という5つの障害が含まれています。

PDDの原因

現段階では正確な原因は解明されていませんが、脳機能の障害により症状が引き起こされるといわれています。

自分を知り、自分だけの扉をひらく『ライフチェンジアカデミー』


LINE公式の登録はこちらから